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閏月とは?旧暦にうるう月がある理由

旧暦(太陰太陽暦)には、「閏月(うるうづき)」という仕組みがあります。新暦のうるう年が2月29日を追加するのに対し、旧暦では1か月まるごと追加されるのが特徴です。この記事では、閏月がなぜ必要なのか、どのように決められるのかを詳しく解説します。

閏月とは何か

閏月とは、旧暦において通常の12か月に加えて挿入される余分な1か月のことです。旧暦の1年は通常12か月で約354日ですが、太陽の周期(約365.24日)とは約11日の差があります。この差を放置すると、暦と実際の季節が年々ずれていきます。

たとえば、閏月を入れなければ、3年で約1か月、17年もすれば半年分のずれが生じ、真夏に正月が来るような事態になってしまいます。このずれを修正するために、旧暦では約3年に1回、閏月を挿入して13か月の年を作ります。

閏月が必要な理由:太陰暦と太陽暦のずれ

太陰暦は月の満ち欠けを基準にした暦で、新月から次の新月までの約29.5日を1か月とします。12か月では約354日となり、太陽暦の1年(約365日)より約11日短くなります。

農業を営む社会では、種まきや収穫の時期を正確に知ることが不可欠です。暦と季節がずれてしまうと、農作業の計画が立てられません。そこで、太陰暦に太陽の動きを取り入れた「太陰太陽暦」が考案され、閏月によって季節と暦の調和が図られました。

閏月の決め方:中気と無中気の月

閏月をいつ挿入するかは、二十四節気のうち「中気」を基準に決められます。二十四節気は「節気」と「中気」が交互に並んでおり、中気は雨水・春分・穀雨・小満・夏至・大暑・処暑・秋分・霜降・小雪・冬至・大寒の12個です。

旧暦の各月には、対応する中気が定められています。たとえば、旧暦1月には「雨水」、旧暦2月には「春分」が含まれるのが原則です。ところが、月の周期(約29.5日)と中気の間隔(約30.4日)にはわずかなずれがあるため、まれに中気を含まない月が生じます。

この「中気を含まない月」が閏月とされます。たとえば、旧暦4月と5月の間に中気を含まない月がある場合、「閏4月」として挿入されます。

メトン周期:19年に7回の閏月

古代の天文学者たちは、太陽と月の周期が19年(太陽暦)でほぼ一致することを発見しました。これは「メトン周期」と呼ばれ、19太陽年は235朔望月にほぼ等しくなります。

この周期に基づくと、19年間に7回の閏月を挿入すれば、暦と季節のずれをほぼ解消できます。中国の暦法でも日本の天保暦でも、この原理が活用されていました。

閏月と日本の暮らし

閏月のある年は1年が13か月となるため、暮らしにさまざまな影響がありました。江戸時代には、武士の給料は年俸制だったため閏月による影響は少なかったものの、月給制の奉公人にとっては1か月分多く働くことを意味しました。

また、年中行事の日程にも影響が及びます。閏月が挿入されると、その後の行事の新暦上の日付が大きくずれることになります。中秋の名月の日付が毎年変わるのも、こうした旧暦の仕組みが背景にあります。

明治の改暦の際、政府が新暦への切り替えを急いだ理由の一つが、閏月の存在でした。明治6年には閏月があり、旧暦のままでは官吏に13か月分の給料を支払う必要があったため、財政上の理由から改暦が推進されたとも言われています。

世界の暦と閏月

閏月の仕組みは日本の旧暦だけのものではありません。中国の農暦、ユダヤ暦、チベット暦なども太陰太陽暦であり、それぞれ独自のルールで閏月を挿入しています。一方、イスラム暦(ヒジュラ暦)は純粋な太陰暦であり閏月を入れないため、ラマダンの時期が毎年約11日ずつ移動します。

現在の新暦(グレゴリオ暦)は太陽暦であり、閏月ではなく閏日(2月29日)で調整します。4年に1回のうるう年という仕組みは、閏月に比べるとずっとシンプルです。

まとめ

閏月は、月の満ち欠けを基準とする旧暦が季節とずれないようにするための重要な仕組みです。約3年に1回、中気を含まない月を閏月として挿入することで、暦と季節の調和が保たれてきました。現在の新暦では閏月は不要ですが、旧暦の行事や文化を理解する上で、閏月の知識は欠かせません。

よくある質問

閏月は何年に一回?

約3年に1回の割合で閏月が入ります。19年に7回の閏月が入る「メトン周期」に従っています。