小寒・大寒 一年で最も寒い時期の過ごし方
小寒と大寒は、一年で最も寒さの厳しい時期を表す節気です。「寒の入り」から「寒の明け」まで、約30日間にわたる「寒」の時期の意味と、寒さを乗り越える知恵をご紹介します。
小寒(しょうかん)1月5日頃
小寒は二十四節気の23番目で、太陽黄経が285度に達する日です。「寒さが小さい(これから本格化する)頃」を意味し、小寒に入ることを「寒の入り(かんのいり)」と呼びます。
小寒から立春の前日(節分)までの約30日間を「寒の内(かんのうち)」または「寒中(かんちゅう)」と呼び、一年で最も寒い期間とされます。寒中見舞いは、この寒の内に届くように出すのがマナーです。
小寒の頃は、各地で仕事始めや新年の行事が一段落し、冬の日常が本格的に始まる時期です。七草がゆ(1月7日)を食べて正月疲れの胃を休める習慣は、小寒の時期にぴったりです。
大寒(だいかん)1月20日頃
大寒は二十四節気の24番目(最後)で、太陽黄経が300度に達する日です。「大いに寒い」の名前通り、一年で最も寒さが厳しい時期にあたります。
大寒の頃は、各地で最低気温を記録することが多く、日本海側では大雪になることも珍しくありません。水道管の凍結や路面の凍結に注意が必要な時期です。
しかし、大寒を過ぎれば次は立春です。大寒の末候には「鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)」という七十二候があり、鶏が卵を産み始める頃を表しています。厳しい寒さの中にも、春の予兆が感じられる時期です。
寒の水と寒仕込み
寒の内の水は「寒の水」と呼ばれ、雑菌が少なく長期保存に適しているとされてきました。この特性を活かした伝統が「寒仕込み」です。
日本酒の醸造では、寒の時期に仕込みを行う「寒造り」が最も品質が高いとされます。低温でゆっくりと発酵が進むため、きめ細やかで香り高い酒になるのです。味噌や醤油の寒仕込みも同様の理由で珍重されます。
また、寒の時期に作られた餅は「寒餅」と呼ばれ、カビが生えにくく長持ちすると言われています。凍り豆腐(高野豆腐)や寒天も、寒の厳しい時期に製造されるのが本来の姿です。
寒中の行事と風習
寒中見舞い
寒中見舞いは、小寒(1月5日頃)から立春の前日(2月3日頃)の間に届くよう出す季節の挨拶状です。年賀状を出しそびれた場合の返礼や、喪中の方への新年の挨拶にも使われます。
寒稽古・寒中水泳
武道では寒の時期に「寒稽古」を行い、心身を鍛える伝統があります。剣道、柔道、空手など多くの武道で寒稽古が行われています。また、各地の神社や海岸で行われる「寒中水泳」「寒中禊(みそぎ)」は、新年の無病息災を祈る行事です。
大寒卵
大寒の日に産まれた卵は「大寒卵」と呼ばれ、縁起物として珍重されます。寒さの中で鶏が体力を蓄えて産んだ卵は、栄養価が高いとも言われています。風水では、大寒卵を食べると金運が上がるとされます。
寒さの記録と地域差
日本の最低気温の記録は、1902年1月25日に北海道旭川市で記録されたマイナス41.0度です。大寒の時期にあたるこの記録は、100年以上経った今も破られていません。
現代でも、大寒の頃の平均最低気温は、札幌でマイナス7度前後、東京で1度前後、那覇で14度前後と、地域によって大きな差があります。日本の南北の長さを実感する時期でもあります。
冬の旬の食べ物
- 小寒の頃: 七草がゆ、白菜、大根、鱈(たら)、牡蠣
- 大寒の頃: ふぐ、あんこう、金柑、ほうれん草、小松菜
寒さの厳しい時期は、体を温める鍋料理や煮込み料理が恋しくなります。冬の野菜は霜に当たることで甘みが増し、栄養価も高くなります。節気の食べ物カレンダーで、旬の食材をさらに詳しく確認できます。
寒さを楽しむ
小寒・大寒の時期は厳しい寒さが続きますが、この時期ならではの楽しみもあります。澄んだ冬空に輝く星は一年で最も美しく、冬のダイヤモンドやオリオン座が鮮やかに見えます。温泉やこたつでぬくもりを感じる時間も、冬の贅沢です。
大寒が過ぎれば、二十四節気は一巡し、再び立春を迎えます。「冬来たりなば春遠からじ」の言葉通り、最も寒い時期の先には必ず春が待っています。irodoricaの月間カレンダーで、立春までのカウントダウンを楽しんでみてください。
よくある質問
寒中見舞いはいつ出す?
小寒(1月5日頃)から立春(2月4日頃)の前日までに届くように出します。